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ウガチャカ日記、ヘイヘイヘイ日記

辺境の地からあなたへ

山口小夜子は未来を着て氷の花火になりました。

松本貴子監督の山口小夜子さんドキュメンタリー映画「氷の花火 山口小夜子」を観に行ってきました。

私は特に、彼女を知ったことでモデルという仕事の素晴らしさを知り、モデルを始めた人間なので共感や納得できる部分ばかりで、しかも小夜子さんフリークなので、今までyoutubeなどを漁っても見つからなかった貴重な資生堂のCMやショー映像が観られただけでも号泣だったので、客観的なレビューなどできるわけがありませんのでご了承ください。

まずなにより嬉しかったのはやはり、今まで観ることのできなかったショー映像が観られたことです。特に70年代のものは中々観られる機会がないので、それを観るためだけに行ってもいいくらいな勢いでした。もはやショー映像だけをまとめて一つ映像作品を作って頂きたいくらいでした(山口小夜子 未来を着る人 展の時、ショー映像が思っていたより少なくて残念だったので・・・・・・色々な事情があると思うので仕方のないことなのですが)。

初めて観たショー映像の中で一番目を引いたのは、KENZOのショーで、漫画とかでよくある中国の人の歩き方みたいに両手を合わせて左右に振りながら歩いている映像でした。可愛らしかった。

 

いろんな人へインタビューしながら進んで行くこの映画は、なんだか岡崎京子の「ヘルタースケルター」を彷彿とさせました。異形の美、という言葉を思わせるところも。

まず、ザンドラ・ローズのインタビューがあったことがうれしかったです。山口小夜子のブレイクは彼女の来日ショーと、やまもと寛斎さんの凱旋ショーがきっかけだったとエッセイでも書いていた記憶があります。

スタイリストの高橋靖子さん(私は彼女のエッセイの大ファン!!)が「着物のような服を自分で作ってオーディションなどの時に着ていた」とおっしゃっていて、本当に独創的な人だったのだなぁと思いました。高橋さんが「表参道のヤッコさん」のなかで、山口小夜子のことを、マリークワントのパーティで着物のような打ち合わせの服を着ていた、と書いていたのはその服のことだったのかな?などと思いました。

ここまで書いておいてなんなのだけど、だんだん記憶が薄れてきていて、もう一度見ないともう具体的に書くことができなさそうなので、特に記憶に残っていることを書こうと思います。

まず、やはり資生堂のCM。彼女は73年から資生堂と契約を結び、最近紙媒体での刊行が終わってしまった資生堂の企業誌「花椿」や、シフォネット、クインテス、そしてベネフィークの広告、CMに出演し、ハーフモデル全盛期の広告界に衝撃を与えました。

ベネフィークの「ベネフィーク ベネフィーク」というコーラスの中、ヨーロッパの街の階段を降りながら傘を差して楽しげに山口小夜子が歩くCMは、去年の夏に銀座の資生堂でやっていた中村誠の回顧展で観て以来、ずっとまた観たいと思っていたものだったのですごく嬉しかったです。

また、80年代の資生堂リバイタルのCMで、細野晴臣作曲の「sayokoskatti」を使ったものが観られたのも、細野晴臣ファンでもある私は嬉しかったです。

やまもと寛斎さんがインタビューの中で語っていた小夜子さんとの悲しいエピソードもとても印象に残りました。

寛斎さんが、ファッションの世界と舞踏やコンテンポラリーの世界は相容れないというようなことをおっしゃっていましたが、今はむしろそういったアートとファッションの世界はとても近くなっていると思うのですが、その先駆けが小夜子さんだったのかな、と思いました。

晩年の彼女の活躍は、一見モデルとはぜんぜん違うフィールドのような気がしていたのですが、一見違う世界や世代を繋げる、ということと、モデルの、デザイナーや服の世界と見る人を繋げる、という点で同じだったのではないかなとも思いました。

 

ファッションモデルというと現代でも多くの人が、まず素材ありきで、もちろん「やろう!」と思わないとできない仕事ではあるのですが、どちらかというと自我のようなものはない方が良いとされる場合が多いと感じます。

でも小夜子さんは、印象的な切れ長の目にせよ、日本的な雰囲気にせよ、自分でそれをやりたい、とおもって、作り上げていった人のように感じました。そしてそこに私はとても共感できるし、尊敬しているのです。

身長が低く、性別的にもイレギュラーで、そばかすだらけで、可愛らしかったり美人というわけでもないと自覚している自分がそれでもモデルとしてどうしていけばいいのか、続けるべきなのか、すごく迷っていた自分に喝を入れられたような映画でした。

もう何を書いていいのかまとまらなくなってきたので、この辺にしておきます。

 

20151206 SAYOKO - YouTube

 

「寛斎元気主義」映像

Making of cyborg/Ghost In The Shell

テクニクスCM

Te Head Shaker/TEKKEN2 OST

資生堂ベネフィークCM「京人形」

三つのジャポニスム第一楽章「鶴が舞う」

DIOR&YSL 1979 show

"Sayonara"The Japanese Farewell Song/細野晴臣

KENZO 1976/77 AW show

Tu mira/Loie Y Manuel

資生堂リバイタルCM「春、染めて」

紅炎の鳥

 

 

山口小夜子スペシャルです。